《4. 行動パターン編》
「ビリーフリセット®︎」をゆる~く解説するシリーズです。
《1. ざっくり概要編》 《2. 原因編》 《3. 目的編》 と続きました。
4回目は、その行動パターンについて解説します。
今回もゆるゆると進めますので、どうぞリラックスして読んでいただければ幸いです。
行動にはパターンがある
ビリーフ(自己否定の考え)は、主に潜在意識の浅い領域で、
「〜〜してはいけない」(← 禁止)
「〜〜しなければいけない」(← 義務)
という「行動のためのルール」として存在し、発動(その人を無意識に動か)します。
そして、その行動にはパターンがあるのです。
「ビリーフリセット®︎心理学」では、そのパターンを「3つのモード」に分類しています。
1. 強化モード
(何度も繰り返すことで、強化されるパターン)
2. 回避モード
(自分を守るために、常に逃げるパターン)
3. 補償モード
(ネガティブな自分を打ち消すために、成果を追い求めるパターン)
1. 強化モード
これは、自分の持っているビリーフ(自己否定の考え)に基づき、当てはまる事象「だけ」を採用することにより、それが強化されていくパターンです。
人間の脳には「仮説を立てたら証明しようとする」働きがあるので、その仮説に合ったものだけを拾い、合わないものを見事にスルーします。
「もしかして、また○○になるんじゃないか…」「自分はどうせ△△に違いない」
と思って行動した結果、○○になったことや△△に見えたこと「だけ」を事実として記憶し、
「ほら、やっぱり!」と自ら証明するものです。
そしてそれが「どうせまた、○○になる」「やっぱり自分は△△だ」につながり、ますます強化されるという仕組みです。
証明するために、自分からわざわざ○○や△△になりそうなことを選んだり、トラブルになるような場に身を置いたりするので、 「またこのパターンか・・・」が続くことになるのです。
○○や△△に当てはまらなかったこと、そうでなかった事象に関しては、覚えていなかったり例外として扱うなど、客観的で冷静な判断とは言い難いものとなります。
2. 回避モード
これは危険を回避するための本能的なもので、傷つかないように、ダメな自分がバレないようにと、いつも逃げる行動に出るパターンです。
逃げる、つまり挑戦しない、向き合わない、自分で責任を取ろうとしない、人と関わらない、常に周囲からの助けや同情を求める、誰かまたは環境のせいにする、などの行動として表れます。
常に逃げているので、どんなに「変わりたい!」と頭で強く考えていても、現状が変わることはありません。
また向き合わないことで問題が悪化したり、「逃げる」ことが癖になるため、「強化モード」との相乗効果でさらに強化されていきます。
この「ダメな自分がバレないように」は、周囲の人たちにバレないように、というだけでなく、
実は「自分にバレないように」という意識(無意識です)もとても強いのです。
できない自分、ダメな自分を認めたくない、
そしてそんな自分にガッカリしたくないという思いが潜在意識(無意識)にあるからです。
3. 補償モード
これは、できない自分、ダメな自分を
「そうであってはいけない!」
と強く打ち消し、奮い立たせるように行動するパターンです。
まるで穴を埋めるような、足りないところを補うような、罪を償うような感覚で行動することから、補償モードと名付けられています。
自分を奮い立たせる方向にエンジンが入るので、「頑張る」「努力する」といった前向きな行動となり、一定の成果や満足感も得られます。
しかし、そのエンジンの燃料は「補償」です。
成果が出ても満足できても、その安心感が長続きすることはなく、すぐまた足りない部分や穴に目が行き、
「もっと結果を出さなければ!」「もっと上を目指さなければ!」と、終わりなき頑張りとなって次第に消耗していきます。
また「成果を出す」ことに依存し癖になるので、これも「強化モード」と相まってますます強化されていきます。
「補償モード」は成果につながるため、ある時期までは有効に働くメリットもあるのですが、
「どこまでいっても満たされない…」
「一体いつまで頑張り続けたらいいの?」
と、その違和感を放置したままエンジンを回し続けると、
燃え尽きたり、鬱や身体の不調となって表面化します。
特に30代後半以降の方に、多く見られるパターンです。
根底にはビリーフがある
これらの行動パターンの背景には、ビリーフ(自己否定の思い込み)があります。
ダメな自分、ネガティブな自分を隠すために、傷つかないためにビリーフは発動し、そうして自分自身を守ります。
《1. ざっくり概要編》 《2. 原因編》 《3. 目的編》 でも書いたように、ビリーフは「自分を守るため」の生き残り戦略なので、その戦略が上手く機能している間は、同じパターンの行動を繰り返していても何の問題にもなりません。
問題になってきた、苦しくなってきたのは、その戦略が上手く機能しなくなったから。もう現在の自分には合わなくなったから。
「なぜいつも同じパターンなんだろう?」
「また同じことの繰り返しで、もう嫌だ!」
「どこまで頑張り続ければ、満たされるんだろう?」
といった疑問が生じたなら、その違和感に気付いたなら、一度自分自身に向き合って、どんなビリーフを根底に持っているか、確認してみることをお勧めします。
こちらのサイトで、ビリーフ診断ができます。↓
自分はこんなビリーフ(思い込み)を持っているんだな、
自分にはこんな傾向があるんだな、
と理解するだけでも、感情に飲み込まれることが減り、
また、「今、何が起きているのか」を客観的にとらえることができるようになります。
そして、
「強化モード」でスルーしていたことを採用してみるとか、
「回避モード」でいつも逃げてきたことに挑戦してみるとか、
「補償モード」で頑張り続けたことを辞めてみたり誰かにお願いしてみるとか、
そんな風に、いつもとは逆のパターンの行動ができたなら、現実は「本来の自分」が望む方向へと変化していくでしょう。
次回は、ビリーフの構造と種類についての解説です。
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